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剣「くっ!!」
剣の左ストレート。
白髪鬼「………」
上体を後に反らしてかわす『白髪鬼』。剣の攻撃は見切られていた。
剣(ダメだ…。全部まるで効かない…)
剣の心に絶望が広がり始めた。
剣「ああぁぁ!!!」
剣は狂ったかのように拳を振り回した。
白髪鬼(こいつ…右ストレートは凄いが……他の攻撃はチンカスやな……。バカみてーに拳振り回しとるし……)
剣の攻撃を軽々と避けまくった『白髪鬼』は、心の中でため息をついた。
白髪鬼「そうやな…」
『白髪鬼』が呟いた。
剣「!?」
白髪鬼「まだ中一やし、喧嘩の経験もあんま無いのも加味して………100点満点中40点やな」
『白髪鬼』は剣のパンチをパーリング(手のひらで弾く事)し、右ストレートを放った。
ゴシャッ
重い物同士がぶつかった音がして、剣が吹っ飛んで転がった。
剣(………?)
何が起きたか分からない様子の剣。
白髪鬼「お前の右ストレートは俺に匹敵する早さや………けど、重さもキレもまるであらへん」
『白髪鬼』がゆっくりとした足取りで、剣に近づいていく。
剣(まずい……立てない……やられる……)
白髪鬼「右ストレートは及第点やな。あ、ちなみに他のはダメダメやで」
『白髪鬼』が拳を握りしめた。
剣(正喜………助けて………)
白髪鬼「邪魔が入る前に…潰す」
『白髪鬼』はもう、笑っていなかった。
剣(正喜………!!!)
シュルルルル………
白髪鬼「!!」
火花を散らしながら何かが飛んでくる。
パァン!!!
白髪鬼「………ちっ。ネズミ花火か…?誰や…」
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