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いくら二人がかりでも、『白髪鬼』には勝てない。バカでも分かる事だった。それでも、剣と正喜は興奮を抑え切れず、勝ち誇るような笑みを見せた。
白髪鬼「俺を前にして笑う奴なんて……一人くらいしかおらへんで。お前ら、おもろいな……」
剣「いや、こいつとタッグ組むなんて思ってなかったからよ」
剣はそう言って正喜の肩に腕を回した。
白髪鬼「………。まぁ、少しは楽しめそうやな」
『白髪鬼』が構えた。さっきと同じく、一分の隙も無い。
正喜「よっしゃ!行け、剣!!」
剣「え!俺が行くの!?やだよ!正喜が行け!」
正喜「怖いもん!お前の相手だろーが!」
剣「タッグ組んだんだろ!正喜の相手でもあるだろーが!」
正喜「元々は剣の相手だろ!じゃあ、お前が行くのが当然じゃんかよ!」
剣「あぁ!?俺に全部押し付けんなよ!正喜が助けてやるっつったじゃん!今がその時だ!」
正喜「さっき助けただろ!お前が行かないなら、俺逃げるからなー!」
タッグを組んで、いきなり喧嘩をし出した二人。さすがの『白髪鬼』もため息をついている。
終いには
剣「やんのかオラァ!」
正喜「上等じゃねぇかコラァ!」
剣と正喜は互いの胸ぐらをつかんだ。
白髪鬼「お…おい。相手は俺やろーが…」
『白髪鬼』が諫めようとした。
正喜「一発KOしてもいいんだぞ?あ?」
剣「面白ぇじゃねーか。やってみろよ。カウンターで終わりだろーがよ」
剣と正喜の態度は依然変わらない。
白髪鬼「まーまーまー。君達は友達やろ?」
『白髪鬼』が剣と正喜の肩をポンポン叩いた。
剣の目が光った。
パァン!!
完全に油断していた『白髪鬼』の股間に、剣の裏打ちが入った。
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