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五月になると窓から吹き込む風は生暖くなっていた。
昼休みになり、仲の良い子達で机をくっ付け始める。
最近は何も言わずに、私の机が持っていかれるようになった。
だから私は仕方なく教室じゃないところにお弁当を食べに行く。
教室を出る時にはいつもクスクスと、五臓をぐちゃぐちゃと混ぜられるような、不快で耳障りな音が聞こえてくる。
いちいちそんなことを気にしない。気にしていても良いことなんて1つもない。
どうしてもダメな時は、
『あいつらは人間じゃない。黒板を引っ掻いた時に出るような音を出す、汚く醜い物なんだ』
と、心の中で何度も繰り返す。
そうすると、少しだけ心がスッとする。
私は人間。あいつらより上の存在なんだ、って思えるから。
今日は屋上で食べることにした。
少し錆びた屋上のドアが甲高い金属音を鳴らす。
良かった。誰もいない。
屋上には誰一人おらず静かで、空は透き通るような青色だ。
私は屋上の隅にあるベンチに腰かけ、お弁当を広げた。
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