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お母さんが作ってくれたお弁当。
卵焼きにウインナーに唐揚げに。
普通のお弁当。
私はこのお弁当が好きだ。
「ごちそうさま」
食べ終えて弁当箱の蓋を閉じた。
「1人なのに、ごちそうさまってちゃんと言うんだ」
勢いよく顔を上げた。
すぐそばに、綺麗に整った男の子の顔があった。
「わっ……」
私はすぐに顔を背ける。
顔が赤くなっていくのが痛いほどに分かる。
「君、1人で食べてるの?」
その男の子は私の前に立ったまま言った。
「うん」
私は小さな声で顔を背けたまま答えた。
チラリと男の子を見る。
やっぱり綺麗な顔で、鼻や目はくっきりしているし、色白な肌は女の子が羨むほどだ。
「なんで?」
男の子は笑顔と真顔の中間みたいな顔でそう聞く。
私は答えるのに少し躊躇う。
素直に、クラスに友達がいなくて気まずいから、と言えばいいのに。
「まぁ何でもいいか」
私が考えてるうちに、男の子は私の隣に腰かけた。
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