下命/

2/10
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/296ページ
‥鬼はそこで、にかッと笑いました。 前歯は平らで大きいです。 牙は、ずうっと口角のはしのほうにありました。 まるでつくりもののように見事な珊瑚いろです。 その合わせめからのぞく舌には、血の雫が。 血のでどころである娘の体は、鬼の膝上に乗っかり、しどけなくひらいていました。
/296ページ

最初のコメントを投稿しよう!