亡霊批評/

3/12
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/296ページ
‥自分がやはり幽霊なのであって、とにかく孤絶した状態にいる、ということしかわからなかったので‥しょうがないから幽霊として最後にその特性に賭けてみた、というわけなのです。 それは乾坤一擲、懸命の[想い]。 憎しみ、つまりは恨み妬みそねみ‥ であるのかどうかは知らず、ただ幽霊が幽霊としてある存在理由であるところの怨恨の怨念、とでもいうものの祈念に賭けてみたということなのです。 つまり、それがただたんに唸るという仕儀にでた経緯でした‥ とつぜん、 「なに唸ってんだ?便秘か」 ぬっ、と姿を現した亡霊がいいます。
/296ページ

最初のコメントを投稿しよう!