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ザー……。
「は……くしゅん!」
女は部屋全体が、肌寒い雰囲気に包まれている事に気付き目を覚ました。点けっぱなしになっていたテレビは、既に放送が終わったのか砂嵐の画面になっている。
どうやらテレビを観ながら眠ってしまったようだ。固まった身体を動かし、冷気の元を絶つ。
ピッ……。
「エアコンも点けっぱなしのまま寝ちゃってたのね……うう、寒。もうこんな時間? 寝よ寝よ」
女はテレビを消そうとリモコンを押した。しかしテレビが消えない。
偶然か必然か、女はそれを知る由もない。ただ、事実としてテレビが消えない。それだけの事だ。
「あれ? 電池切れ?」
女は主電源を切り、ベッドに向かう。エアコンで冷え切った身体に、布団の有り難みが染みる。女がベッドに潜り込むと、今度は何もしていないのにテレビの電源が再び点いた。
ブゥン……ザー……。
女は寝ぼけたまま身を起こし、目をこすりながらテレビ画面を見た。
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