◆店◆

3/6
前へ
/66ページ
次へ
――なるほど、川上様。 ええ、存じ上げております。貴女様はあの方の娘さんですよね? お父様には大変お世話になっております。 ……え? 今、なんと――。 そうですか……とうとう、逝かれてしまいましたか。 悲しいことです。またお目にかかることができないとは。 ああ、泣かないでください。 せっかくのお顔が崩れたお化粧で台無しになってしまいますよ。 いえいえ、とんでもない。 え? 僕がですか? 何をおっしゃっておられるのです。貴女様の方がずっとお綺麗ですよ。 それに僕は男です。 ええ、髪が長いのでよく間違われますけれど。 それでお客様。 今夜は何故お越しに?
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加