◆店◆

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そうですか。川上様が。 ここに来るように……と。 ではこちらに行らしてください。 お得意様のお願いですからね、断るわけには参りません。 どうぞ。横になられて。 それからこの布を枕の下に入れてください。 ここはなに? ですか。 お父様から何もお聞きになりませんでしたか。 ここは「夜語り」という店です。 何をする場所、ですか。 “夜を語っていただく”、場所です。 いいえ、語るのは僕ではありません。 もちろん、貴女でもありません。 語るのは「夜のモノたち」です。 さぁ……僕にもそれが何かは分かりません。 先代なら知っていたのかもしれませんね。 ただ、この紅い布の持ち主の夢を様々なモノが渡り歩き、一つずつ話を残していくようです。 この布は無数に存在すると云われています。 彼らが何故夢を渡るのか。何故でしょうね?
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