偽りの恋

告白

「ありがとう。
これからよろしくね」

極上の笑顔と、綺麗な唇から紡ぎだされる予想だにしていなかった言葉。

鳳院さんの想定外の反応に、後ろ頭を思いっきり殴られたかのような衝撃をくらう。

何を言われたのか理解出来ない。

いや。
理解することを放棄した。
が正しい。

瞬きすら出来ずに、ただ呆然と彼を見つめた。

誰もが見惚れる極上笑顔の鳳院さん。

間抜けにも、口を開けフリーズ状態の私。

そして、羞恥や怒りなどない交ぜになった複雑な表情でつっ立っているナル男こと神木さん。

奇妙な空気と沈黙に包まれた私達を、暮れ始めた太陽が照らしていた。