策略

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「琴音を騙そうが手の平で転がそうがいいんですけど、フォローはきっちりしてくださいね」 「あれ? そこ止めなくていいの?」 青柳若菜に釣りを渡しながら、近藤は面白そうに笑った。 「いいんですよ、別に。 琴音、否定はするけど鳳院さんに惹かれてきてますから。 それに……邪魔なんかしたら鳳院さん激怒しちゃいますよね」 青柳若菜は楽しそうに笑い声を上げると、俺の顔を覗き込んだ。 挑戦的なその瞳はぶれることなく俺の目を捉える。 「琴音の事、だ~い好き、なんですもんね。 必死に策をめぐらせてしまうくらいに」 「……君みたいに肝が据わった女性は初めてだな」 「お褒めに預かり光栄です」 ニコリと上品な笑みを浮かべた彼女はそのまま去っていった。
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