蜜月

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「手の平、弱いんですか?」 「……」 無言が答え。 いつもやられっぱなしの私は仕返しを思い付く。 「……っ! 琴音ちゃん?」 歯を使い、舌を使い、弱いというそこを攻め続ける。 この行為自体恥ずかしいのだが、滅多にない逆襲のチャンスを逃す手はない。 「ちょっ……琴音ちゃん」 珍しく慌てる鳳院さんに気を良くした私はなおも続ける。 逃げようとする彼の上に乗っかり、骨張った手を両手で固定してぎこちなく舐める。 「……っ……」 彼の押し殺すような声と、手から伝わる動揺に私の思考は麻痺していく。 「……いい、加減に……」
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