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乗り込んだ電車内はそれほど混んではなかった。俺は窓の外に流れる景色を吊革に掴まりながら眺めていた。
隣にいる人は眠いのか吊革に掴まり電車の揺れに合わせ右へ左へと揺れている。
急に肩が重くなった。
それほど混んでいないにも関わらず、隣の女の人が俺の体に寄りかかってきた。
いい香りがするな……
なんてこと思いながら、ちょっと肩を動かした。
が、女の人は更に寄りかかってくる。
「あの……」
ちらっと顔を見ると顔が真っ青だ。
気分が悪いのか?
「あの、大丈夫ですか?」
ほっとく訳には行かず俺は声を掛けた。
「すみません。無理…みたいです……」
ええっ……無理って!
どうすりゃいいんだよ
とりあえず次の駅で降りて駅員に言ったほうがいいのか?
降りる駅ではなかったけど、彼女をこのままほっくわけにはいかないから、俺は次の駅で彼女と一緒に降りた。
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