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あの後、極力平静を装いながら自分の部署に戻り、デスクに放置してた冷めたコーヒーを掴んで、喫煙室に逃げ込んだ。
吸えば、何とかなると思ったんだ。カフェインで身体を満たせば、忘れられると思った。
もう、フィルターに届きそうなほど、火種は燃えているっつうのに、俺は俺を映し出す窓を眺めながら、ぼーーーっと、彼女の首筋を思い出してた。
それは、日付が変わった今でも、同じで。
「あっちっ!!!!!」
「ぷはっ。」
「何で居るの、加持……。」
居て欲しい時に居なくて、どうでもいい時に居るのな?
お前ってそういうヤツな。
「どーーしたのよー。システム部のクールメンが、「アッチッチ」って。わっはっは!」
33階から吊るすぞ。縛るのは片足だけだぞ?
加持が灰を落とせば、何か思いついたように俺を見た。
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