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帰りの航海はとても順調でした。
兎は女の子に早く会いたくて会いたくて、行きしの航海の時は船室で過ごすことも多かったのに、帰りでの船では甲板に出てまだ見えぬ郷里を見つめてました。
ようやくの三日目。
船が港に着きました。
兎は誰よりも先に船から飛び降り、荷物を抱え駆け出しました。
今日の雨はいつもよりとても穏やかでした。
まるで兎の帰郷を喜んでいるみたいに。
兎は真っ先に隣の老夫婦の家にやって来ました。
『コンコン!』
ドアをノックし扉の前で待ちます。
出迎えたご婦人に案内され、兎は奥の部屋と向かいました。
奥の部屋の扉を開けると、そこには背を向け机で絵を書いてる女の子がいました。
扉が開いたのに気付いた女の子は、振り向くと目の前にいる兎にびっくりし、思わず抱きつきました。
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