第一章

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ある日、兎は国からの手紙で一ヶ月、隣国への手助けに行くようにと告げられました。 兎は悩みました。 幼い女の子を一緒に連れて行くべきか、否か。 隣国までは遠い。 船旅に耐えれるのか。 隣に住む老夫婦に預けた方が安心だ。 けれど、女の子は兎と行く事を強く望んでいたのです。 女の子は両親に先立たれた事で、新しい家族、兎と離れることに不安を感じていたからです。 兎は悩んで悩んで、女の子に隣の老夫婦の家で帰りを待つように説得する事にしました。 兎はテーブルに女の子を座らせ、暖かいココアを飲ませました。 そして三つの約束をしたのです。 『必ず帰ってくる』 『けっして一人にはしない』 『お土産に赤い大きなリボンを買って帰る』 と。
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