始まりの唄。

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水「にしても……本当に誰も気付いてないんだ。逆に笑えちゃう!」 ありすは頭を掻きながら、誰も居ない、1人では広すぎる図書室の机に、足を組んでおもむろに座った。 水「……ふぅ………。」 チッ、チッ、と時計の秒針が動く音だけが部屋に響く。 心なしか、体育館の方から騒がしい声が聞こえた。 水「よいしょっ!!」 ありすは、椅子からぴょんと立ち上がると、図書室にある沢山の本棚のうちの1つに手を掛けた。 水「うぅぅぅん……アリス……アリス………………………………………。………………………あっ!!あったぁ!!!!」 ありすは、一冊の本を見つけ、物凄い勢いでその本を引っ張り出した。 水「あった……やっと見つけた…………っ!!」 ありすの手には…… 《不思議の国のアリス》。 彼女は、ずっとこの本を探していたのだ。
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