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まぁ事件と言っても部長が仕事をサボって脱走しただけなのだが。
「くそっアイツまた脱走しやがった!今度いう今度は許さねぇ!次見つけたら八つ裂きにしてやる!!」
「まぁまぁ、副部長怒ったってムダですよ~。どれだけ怒ったところでどうせ部長はまた脱走するんですし・・・。それにしても部長よくこの中から脱出出来ましたね―。」
「まったくだよ・・・。あの人は一体何を考えているんだか。」
そう会話しながら二人が見上げる先にあったのは、大きな箱に長い鎖が巻き付いている檻だった。
それ以外にもこの部室にはあちこちにトラップがしかけてある。
踏むと爆発する床のタイル、人の熱を感知すると熱光線がでるもの、その他数えきれない程のトラップが仕掛けられている。
「なんでこんなにトラップがあるのに部長は脱走できるんだ・・・」
頭を抱えてブツブツ呟く涼馬のよこで雛乃は優雅にお茶を啜る。
「沈むのはいいですけど、部長を探しにいかなくていいんですか?」
「はっ!!そうだった!!探しに行かなきゃ!!!」
そう言う残すと、涼馬は煙を上げながら廊下を走って行った。
そんな副部長の後ろ姿を見ながら、雛乃はため息をつく。
「・・・まったく、副部長はいつになったら部長を卒業してくれるんでしょう―――」
そんな雛乃の疑問は答える人もなく風と一緒に流されていった―――――
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