岡本家の奥様、ご懐妊

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案の定父さんのところに連れて行かれて、怒鳴られた 思わず両手でお腹を庇った 無意識に子供を守ろうとしたのだ 「相手は誰なんだ!?」 幸い、圭人のことはまだ親には言ってなかった 妹と姉ちゃんにしか言ってなかった 2人とも今は家に居ないから隠し通すことは可能だろう 俺はだんまりを決め込んだ ―ピンポーン タイミング悪く来客を知らせるインターホンが鳴った 母さんは渋々腰を上げ玄関へと向かった 直ぐに母さんはリビングへと戻ってきた 来客を連れて 「こんにちは」 なんと来客は圭人だった タイミングが最悪すぎる 「君は誰だ?」 「ご挨拶が遅くなってしまい、すみません  涼介さんとお付き合いさせて頂いている、岡本圭人と言います  今日は涼介さんの具合が悪いと妹さんから連絡を頂いて、お見舞いに来ました」 あぁばれてしまった 隠し通すことなんて出来なくなってしまった 「おまえか!!  うちの娘を妊娠させたのは……!!」 「え……」 圭人は俺の顔を見て固まった それはそうだ まだ圭人には俺が妊娠したことは言ってないのだから 「妊娠って……それ、本当…?」 俯いて小さく頷くことしか出来ない 圭人の反応が怖くて自然と俯いてしまう 「そっか…順番が逆になってしまいましたが……  僕に娘さんをください」 「けい、と……?」 今度は俺が驚いて圭人の顔を見て固まる 父さんなんてもっと驚いているみたいだ 「僕はまだまだ若くて頼りないかもしれません  ですが、何あっても涼介を手放す気なんてありませんし、絶対に守ってみせます」 「…ふざけるな!!涼介はまだ16歳で高校生なんだぞ!?  学校はどうする?将来はどうする!?」 「圭人っ!!」 バキっといやな音がした 父さんが圭人の頬を殴ったのだ 力の反動で圭人は後に倒れてしまった .
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