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「こ、此処って」
「地獄」
何もないというか、ただ目の前にある光景に一人疑問を問い掛けようしていると、返ってくるはずもないその答えが何処からか返ってきた。
びくっと体を震わせながらも声の元を辿ってみる。後ろからだ。
思いがけない返答に動揺しつつ振り返ると、そこにいたのは……
無造作ながらも肩につかないくらいの艶やかな黒に赤のメッシュが入った髪。
程よく焼けた肌に黒を基調とした少し派手目の服。すらりとした長身。
異質な雰囲気をまとった男だった。
「ははっ、酷い汗だな」
男は、にぃっと笑う。
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