11369人が本棚に入れています
本棚に追加
―アインスside―
クソッ!ここはどこだ!?
あの後ポリスから逃げ切って戻ってきたのはいいが、部屋には誰も居なくなっていた。
事が順調に進んでいれば組織の支部辺りに連れて行ったんだろうと予測し、池袋の支部に向かい電車に乗った。
慣れない東京という街。
と言うか、日本に来ること自体二回目だ。前回は成田から直で行ったので今回のように別の場所からの移動だと道がさっぱり分からない。
とりあえず電車に乗って乗り換え、降りた場所には……メイドがいた。
東洋の神秘だな。道端にメイドが溢れかえっている。
しかも、ベーシックなメイド服の者は誰一人として居ない。
皆が皆、ピンクや青などの目にも鮮やかなメイド服に身を包んでいる。中には黒のメイド服を着ている者も居ることは居るが、装飾が明らかに過多である。
車道は通行止めにされ歩行者天国になり、彼方此方で小さなライブをする者や、短いスカートの女の子にローアングルからカメラを構える男が見て取れた。
信じられん……
何なんだ、この無秩序な空間は?あそこの女の子の服なんて布の面積より肌を晒してる面積の方が多いじゃないか。素晴らしい。
この不思議な空間、ポリスも歩いているが取り締まる様子は見えない。
ここは天国か―――
「あの……すいません」
始めは誰を呼んでいるのか分からなかった。呼び掛けられたのが日本語だったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!