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「What?」
呼ばれているのが俺だと気付き、返事をすればキャーキャーと騒ぐ女の子が三人。黒髪が一人、茶髪が二人、なかなかに可愛らしい女の子達だった。
どうでもいいが、どうして日本人は実年齢より幼く見えるんだろう?
声を掛けてきた女の子達も中学生くらいに見えるが、実際はきっと二十歳近いのだろう。
「えっと…写真お願いします!」
何を言ってるのか分からん……
「Japanese cannot be spoken」
分かってくれるか?
「日本語話せないみたい。誰か分かる~?」
「え~、チョ~ムリ~」
「それっポイ単語並べりゃイケんじゃね~?」
何を言ってるのかは分からない。だが、何となくムカつくのは何故だろう。
再び黒髪の女の子が自分達を指差しながら話し掛けてくる。
「えっと…フォトプリーズ?」
ああ、ジェスチャーを交えて初めて分かった。この女の子達は俺と写真が撮りたいと言ってるのか。
「OKOK!」
笑顔で応える俺。優しすぎる。何時かはきっとフィアも俺の良さに気付いてくれるだろう。
茶髪の女の子が俺にデジカメを手渡し三人でポーズを決める。
あれ……?
俺と撮りたかったんじゃ……?
「シャッターシャッター!」
唖然とする俺に黒髪の女の子から声が飛ぶ。
「oh… sorry……」
女の子達の写真を撮り終えてデジカメを返すと、三人はデジカメの画面を見ながらひとしきり騒ぎ、呆ける俺をその場にどこかへ歩き去った。
どうしてこうなった?
―アインスside out―
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