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俺はそれを制御できるようにならなけばいけない。このまま行けば、性犯罪者コース確定だ。
二度と実家の敷居を跨げなくなっちまう。
そうなる前に偶に聞こえる声に流されない強さを身に付けなければ。
「四谷圭介だ。これから一ヶ月ビシバシいくぞ!」
「一ノ瀬裕也です。宜しくお願いします」
こうして訓練施設での生活が始まり冒頭に戻る。
◇◇◇◇◇
「さっさと立て!追撃が入るぞ!」
言いながら四谷さんは青空に跳び上がり、踏み下ろすような蹴りを繰り出す。
「まだまだぁ!」
寸でのところで横に転がり蹴りを回避すると、レーヴァティンを支点にして立ち上がり体勢を整える。
どうでも良いコトかもしれんが、四谷さんが蹴りを打ち下ろした辺りが軽く陥没してるんだが……
睨み合う距離は数メートル。俺は脳内図書館を検索、現状に則した技の詠唱を始めた。
殺られる前に殺れ!
「術に頼ってんじゃねぇ!」
数メートルの距離を一足飛びに詰めた四谷さんの拳打が俺の脇腹を襲う。
ズドン!という音と共に『く』の字に折れ曲がった俺の身体は数メートル吹き飛ばされる。
冷静に解説してるけど、レーヴァティンと契約する前に食らったら、明らかに死んでるような攻撃ですからねコレ。
「術の威力は確かに強大だ。だがな、威力のある術には必ず詠唱が存在する。そこを狙われたら終わりだ。覚えとけ」
覚えとけって、あんた今現在俺の身体に叩き込んでるだろ。これがスパルタってヤツですね、わかります。
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