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「うおぉぉぉ!」
再び立ち上がった俺は四谷さんに走り寄り、レーヴァティンを左下から右上に振り抜く。
「動きに無駄が多い!」
体捌きで俺の右側に移動した四谷さんの拳が再度襲い掛かった。
一発二発三発四発五発―――
左右の連打が雨のように止むことなく俺の身体を打ち抜く。これ何て百烈拳ですか?内側から爆発しないよな?
「ひでぶっ!」
カランという乾いた音を立てレーヴァティンが床を転がる。
「今日はここまでにするか。風呂入って歯ぁ磨いて寝ろ!」
大の字に伸びた俺に視線を落とし腰に両手を当てて言う四谷さん。
「あ…ありがとうございました……」
首だけ持ち上げ挨拶した俺は再び頭を床に落とす。
いや、正直初めての実戦が余裕過ぎて天狗になってたんだけどね。ポッキリと折られましたよ。
考えてみれば剣を使った戦闘技術なんて皆無。喧嘩もしたことが無ければ、運動なんて高校時代の体育以来。
そんな俺が普通に戦って勝てる訳がない。
初戦闘で勝てたのは結局レーヴァティンの性能のお陰と云うことが嫌と言うほど分かった。分からされた。
やっぱあれだ、剣術マンガを読んで強くなった気でいたが、所詮そんな気がしていただけだ。
まず身体が動かない。
身体能力は上がっているものの、それを動かす俺の精神が付いていってないと云うことだ。
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