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それに引き出しが少ない。
さっきのように横に回り込まれた時どう対象するかの対応策が圧倒的に足りないのだ。
対応できる身体があっても使いこなす為の知識が足りない。
何よりも……
怖えぇんだよ!
だってグーで殴られるんだぞ!喧嘩もしたことない俺が剣とかで斬られちゃうんだぞ!
一週間経った今でこそ動けてはいるが、初めの数日なんて普通に恐怖で身体が動かんかったわ。
まあ、それも含めた訓練内容になっていて、座学より圧倒的に実技が多くなっている。
お陰様で大分動けるようになったさ。動かなきゃ殺られる状況じゃ動かざるを得ないし。
つーか、死ぬのが前提の訓練は止めて下さい。死ぬのは一番最後ですから。
這いずってレーヴァティンを手にすると、それを支えに身体を起こす。
「し…死む……」
膝がカクカクと笑っているが、これも毎日のことなので諦めた。
四谷さんは俺の限界を見極めるのが上手いんだよな。
俺が限界だと思った更に上、本当の限界まで訓練を続ける。
結果、俺の引き出しは否応なしに増えていく。
まあ、それが目的の訓練な訳だが、毎日毎日死が見え隠れするのはどうかと思うよ。
何とか自分の足で立ち上がると、レーヴァティンを収納する。
毎回思うが、この消えたレーヴァティンはどこに行くんだろう?黒い靄の中に手は突っ込むが、頭を突っ込んだことは無いので中がどうなっているか分からない。
ま、頭を突っ込んだところで真っ黒で分からなそうだが。
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