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「ほう、レーヴァティンはそんな術も持ってるのか」
軽く驚いた表情を見せる四谷さんたが、その顔から余裕が消えることはない。
「さすがにソレ相手だとキツそうだ。俺もアーティファクトを使うとするか」
は?
アンタ今までアーティファクト使ってなかったのか!?
つまり契約によって強化されてるとは云え、生まれ持った身体だけでレーヴァティンを発現した俺を圧倒していたと。
バケモノだな。
「顕現せよ、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)!」
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
俺の記憶が確かなら、ソレは日本の三種の神器の一つ。一般的に勾玉と呼ばれる物の正式名称だ。
その名が四谷さんの口から叫ばれ、一瞬輝いた後には首から五つの勾玉が連なった首飾りが下がっていた。
「見せるのは初めてだな。これが俺のアーティファクト、八尺瓊勾玉だ。お前たちが持つ武器タイプとは違う装着タイプだが、その特性は武器タイプに劣らないぞ」
言葉を失っている俺に説明してくれる四谷さん。おそらく俺が武器タイプ以外のアーティファクトを見るのが初めてで驚いていると思ったのだろう。
ああ、確かに驚いたさ。
だがそれは武器タイプ以外のアーティファクトを見たからじゃない。だって、弥栄さんの浄玻璃鏡だって武器タイプじゃないし。
俺が驚いた理由、それは……
「何で四十過ぎのオッサンが勾玉なんだよ!勾玉ったらカワイイおにゃにょこだろ常考!」
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