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空中を錐揉み、放物線を描いて華麗に舞った俺は無事地面に頭から着地。勢いもそのままに土煙を上げる。
「生きてっかー?」
遠くから声が聞こえる。
首を持ち上げ見てみれば、数十メートル向こうに四谷さんの姿。
俺は砲丸投げの球か?どんだけぶっ飛ばされてんだよ。
あと、あんま心配してないだろ。明らかに声が笑ってんぞ。
痛む身体をレーヴァティンを支えに引き起こす。此処に来てから剣としてより杖としての稼働率が高くなってしまったが、そこは気にしたら負けだと思っている。
「おー、流石だ。俺が鍛えただけあるな」
お陰様でタフさはかなり上がったよ。
ただ…な、笑顔で拍手を送るな。普通にムカつくわ。
今の一撃で身体強化の術は解けてしまった。
しかし、四谷さんとの距離は数十メートルある。一瞬で近付けない距離だ。
俺は周囲を確認して、数メートル横に移動するとレーヴァティンを前に構え詠唱を始める。
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