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「あ゛…後゛て゛覚゛悟し゛と゛け゛よ゛!!」
はて、何の事やら?
俺は用意しておいた『四谷草』と書かれた立て札を四谷さんの頭の後ろに刺し、ジョウロに満タンまで給水した水を全部掛ける。
「根腐れ起こしちまえ」
やるなら徹底的に。リア充に容赦なんて必要ありませんよ。
四谷さんを倒すという目標も完遂したし、もう此処には用はない。
つーか、長居すると抜け出した四谷さんからの復讐が恐ろしいので、早々に退却させてもらうとしよう。
俺はレーヴァティンを右手に持ち、切っ先を前に突き出すように構える。
詠唱を始めた俺の後ろで四谷さんが何か叫んでいるが、そこは華麗にスルーを決め込む。
「ディメイション・ゲート」
発動キーとなる言葉に反応して眼前に人一人を覆える程の黒い靄が現れた。
コレはレーヴァティンの固有技というか応用技で、行ったことがある場所ならば瞬時に移動出来る便利技だ。
昨日、黒い靄について脳内図書館『レーヴァティン編』を適当に検索してたら見つけた技の一つである。
詠唱が地味に長いので戦闘には使えないのが残念だ。
もっと早くに気付いてれば色々便利だったのに。引っ越しとか引っ越しとか引っ越しとか。
結界も張れないくせに変なトコで便利だよな、レーヴァティン。
「そーゆーこって、俺は一足先に東京に帰らせてもらうけど……立派な花を咲かせて下さいな。ぷっ」
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