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「リアジュウ……?」
男は眉を潜めて繰り返す。
どうやら日本語で言ったので理解出来なかったようだ。だって俺「リア充」の英訳知らないし。
しかし、女の子の方は俺の台詞に反応して警戒を強めたようで此方に強い視線を向けてくる。
「You……日本人ね」
女の子が発したのは日本語。少し英語が混じっているが、割りと流暢な日本語だった。
つか、ジャニーさん乙。
「およ、日本語分かるのか」
「ええ、日本人の知り合いがいるからね……」
そう言った女の子は左手のブレスレットを右手で触りながら俺を睨む。
「それで、リア充とは何?
死ねばいいと思うよとは、私達に向けての宣戦布告と取っていいのよね」
どうやら目の前の女の子は「リア充死ねばいいと思うよ」という言葉の『リア充』の意味が分からず、『死ねばいい~』の部分から推測して喧嘩を売られたと受け取ったようだ。
「いや、そんな真面目に受け取られると困るな」
なんと説明したものか……
俺が悩んでいる向こうで女の子が男の方に何やら話している。
男の顔がみるみるうちに紅潮していく。白かった肌が今では真っ赤だ。
「貴様は敵だフィア!やるぞ!」
英語で叫ぶ男。いったい何を話していたのか気になる所だが、それを聞く余裕は無いらしい。
「armament!」
聞き慣れない単語を発した男の手が一瞬輝き、次の瞬間には一振りの西洋剣がその手に握られていた。
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