Devil『いいえ妖怪です』

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だが、ワンペの口から次に紡がれた言葉は俺の予想していない言葉だった。 「なんだ、アーティファクトの契約者か」 「―――!?」 コイツの口からアーティファクトの名が出るとは思っていなかった俺は二の句が継げない。 「ありゃ、当たりだったか。僕を見て驚かないなんて民俗学の研究者かアーティファクト関係者くらいだからね。あ、民俗学の研究者は初めて見たときは驚くか。って言うか、退治するとか言ってたしね」 ケラケラと笑いながら話すワンペに呆気に取られてしまう俺。 コイツ……意外と賢い? 「ワンペ…水の化学式って知ってるか?」 「H2O」 「√5は?」 「2.23620679」 「ありおりはべり」 「いまそかり」 「円周率」 「3.141592653589793238462643383279502884――」 「待て、もういい」 やべっ、コイツ俺より賢いかも。 ならば最後の質問だ。これでワンペの本質が分かる。 「北の独裁者」 「将軍様マンセー!」 こ い つ は ! バカだ。賢いかもしれんが確実にバカだ。 「お兄さんは次に“賢いのか賢くないのか分からん”と言う」 「賢いのか賢くないのか分からんなおまいは……はっ!」 謀られた!この俺が謀られただとぉぉぉ! ニヤニヤと鹿のポチの頭でドヤ顔のワンペに軽く驚愕を覚える。
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