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「いやぁ、面白いお兄さんだね。人と話すのも久しぶりだけど、お兄さんは今までで一番だよ」
「お褒めに預かり光栄至極だ」
俺も久しぶりに変なテンションになっちまった。実に大学卒業以来だな。
あの頃は数少ないが気の合う友人と朝まで語り明かしたもんだ。
魔法少女と魔砲少女の違いについてとかな。
結局は全員俺の嫁との結論付けられた討論だった……
「で、お兄さんはどうしてこんな何もないトコに?」
小首を傾げて俺に問い掛けるワンペ。仕草が可愛いじゃねえか、虫カゴに入れて持ち帰っちゃうぞ。
「ただ通り道なだけだ。夜空がキレイだったから、ちょっと堪能してただけだよ」
別にこれは隠す必要もないので素直に答えてやる。
「へえ、そんな珍しくもないのに……変わってるね」
「変わってねえ!東京じゃこんなキレイな星空は見れないんだよ」
「ふーん、トーキョーってドコ?カムイコタンより南?」
は?
まさかコイツ―――
「おま…やっぱバカだな」
「失礼な!さっき僕の知識の広さは知っただろ!」
ならば問おう。
「函館の南、海を越えたら?」
「外国」
やっぱりだ。コイツ無駄に知識は多いくせに日本の地理が北海道内で収まってやがる。
「あほう、函館の南は青森だ」
「アオモリ?そこも蝦夷なの?」
エゾとか……テラワロス!
「北は北海道から南は沖縄まで全部日本だボケ」
勝てる分野が分かればドコまでも強気ですよ。俺ってばイケメソだな。
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