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「ニホン？」
「おまいが住んでる国だよ」
「蝦夷以外にも土地があるの！？」
北の将軍様とか知ってるくせに、なぜ自国のコトを知らんのだ。
「当たり前だ。その分だと日本で一番偉いヤツは誰か？とかも知らなさそうだな」
これは数年とか、ヒドいと年に二回とか、ちょくちょく変わるから時期によって答えが変わるんだがな。
「バカにして！それは知ってるよ！」
「ほう、ならば言ってみるがいい」
北海道内で地理が止まってたくせに日本の総理大臣がわかるか！？
「天照大神」
「え ら す ぎ だ ！」
皇室の祖神って言われてる神様じゃねえか、そりゃ総理大臣より偉いわ。
「合ってるでしょ」
「まあ、間違ってるとは言わんが……」
ちと答えが予想の斜め上だ。嫌いじゃないがな。
リアルにドヤ顔で「へへーん」とか言うヤツ初めて見たわ。
「さて、俺は行かねばならん。おまいに構ってたせいで結構時間ロスしちまった」
携帯の時計を見れば軽く三十分以上経過していた。これ以上のタイムロスは俺の至福の温泉タイムを削る羽目になる。
「行くってドコに行くの？」
鹿の頭から身を乗り出して目をキラキラさせているワンペ。何だかイヤな予感しかしないぞ。
「日本各地を回らなきゃなんないんでな。日本が終わったら海外も回らなきゃならん。しかも時間制限付き」
おおぅ、ワンペのキラキラが増しやがった。
擬音にしたらワクワクとかウズウズとかがピッタリきそうだ。
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