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結局、場を納めたのは悪名高いレーヴァティン効果だった。
その結果、先代の『魔王』に続き俺にも称号が付いてしまう。
『二代目魔王』と『魔物遣い』
それが俺に付けられた裏の称号。普通に呼ばれることはない。マイス支部間で俺を指し示す暗号のようなものだ。
なぜ当人の俺が裏の称号を知っているのかって?
苫小牧支部でワンペに偵察させたからだよ。
さすがに騒ぎになると面倒だと思って、支部に入る前にワンペに換気口から侵入させて中の様子を探らせた。
帰ってきたワンペから聞いた言葉に俺は泣いた。
「二代目魔王が来るって!」
「一ノ瀬でしたっけ?」
「馬鹿!名前を出すな!」
「魔物遣いが!?」
「気を付けろ!奴は理不尽だ」
「虎の穴ではあの四谷さんがやられたらしいぞ!」
「いたたたた…急に腹痛が。帰っていいですか」
どうしてこうなった?
目から熱い汁が止まらんぞ、おい。
名寄支部までは普通だったはず。
狂ったのは―――言うまでもない。ワンペが場を乱した旭川支部からだ。
俺自身は普通なのに、ワンペが一緒に居ることで俺まで評価が落ちている。
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もういいや。
皆さんのお望み通り、レーヴァティン契約者としての態度で苫小牧支部に乗り込んでやりましたよ。
「がおぉぉぉぉぉ!」
「がおぉぉぉぉぉ!」
ワンペと息ピッタリなのが切なかったです。
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