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そんな訳でワンペは俺の使い魔的な存在としてマイス内で黙認された。
そして今、秋田支部の扉を開いた俺の肩でニヤニヤ笑うワンペと相成った訳である。
「よ、ようこそ……」
俺とワンペを出迎えてくれたのは高校生くらいの少年。
黒い昔ながらの学生服に身を包み、少し長めのサラサラした髪、女の子と見間違うばかりの顔立ち、声変わりはどうした?と聞きたくなるような高い声、いわゆる男の娘と言うやつだ。
制服を着てなきゃ間違いなく女の子だと思っただろう。
それがオドオドと、まるで爆発物を扱うかのように俺達に相対している。
「がおぉぉぉぉぉ!」
「がおぉぉぉぉぉ!」
「ひゃあぁぁぁぁ!」
ふっ、こんな小僧に俺の応対をさせるとは、秋田支部……許すまじ。
「強いヤツに会いに来た」
「ストリートファイター乙」
一々ワンペのツッコミが気持ちいいんだがどうしよう。
「強いヤツ……ですか?」
「うむ」
此処まで五つの支部を回ったが、俺は未だに他の契約者に会ったことが無いのだ。
「い、いちおう僕が秋田支部の契約者…です」
にゃんと。男の娘が契約者……だと。
「魔物つ…一ノ瀬さんはレーヴァティンの契約者なんですよね?」
おま、今魔物遣いって言おうとしただろ。
「そうだよ、お兄さんはレーヴァティン契約者だよ」
そしておまいが答えるなワンペ。
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