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「うん、半分も分からんかった」
いっぺんに聞いたって理解出来るわけねえだろ常考。
「せっかく説明したのにー」
口を尖らせてブータレるワンペ。
「いや、凄いですね。僕でもソコまで詳しく説明出来ないですよ」
あ、ワンペを褒めるな。すぐ調子に乗るから。
「ふふーん、僕に掛かればこんなモンさ」
ほら、ドヤ顔になった。
「まあ、天之尾羽張が日本刀の形だってのは分かった」
「あれだけ詳しく説明したのにそれだけ!?」
情報量が多過ぎだっつーの。
「ワンペ…おまいがエサなら大型魚も狙えそうだな」
「ひっ!僕生き餌!?僕の魅惑の肢体を魚が一口に!?」
やかましい。だいたいオスだろうがおまいは。魅惑とか肢体とか言うなし。
「何だか……聞いてたのと違いますね」
ん?
「聞いたってアレか、魔王二世とか魔物遣いとかか」
「い、いえそんな事は」
「いいんだよ」
「グリーンだよ」
「や か ま し い」
絶妙の合いの手がウザい程に悩ましい。
再び口を尖らせるワンペを放置し、楽しそうに俺達を見つめる百瀬君に視線を向ける。
最初のオドオドしさは何処へ行った?
まあいい。
「百瀬君―――」
「千尋でいいです。むしろ呼んで下さい」
可愛いじゃまいか。これで女の子なら持ち帰りたいトコだ。
「ならば千尋、俺はレーヴァティンと契約したが別に何も変わりない。むしろ周りのヤツらが騒ぎすぎなだけだ。そりゃあ多少はアーティファクトの性質に引っ張られてるかもしれんが……その辺りは千尋も契約者なら分かるだろう?」
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