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時計を見れば時間は午後四時少し前、ひとっ風呂浴びるにはいい時間。
「うし、ワンペ風呂に入るぞ」
ここんトコ二日にいっぺん、銭湯でのカラスの行水だったのでゆっくり風呂に入るのは実に十日ぶりくらいだ。
「いや…僕は後で入るからお兄さんゆっくり入ってきなよ」
「何言ってんだ。銭湯入れなかった分、おまいのが汚れてんだぞ」
銭湯にワンペを連れて入る訳にもいかず、ワンペはマトモに風呂に入ってない。ぶっちゃけ、ちょっと臭う。
「いやいや、一番風呂はお兄さんがどうぞ。僕は後で残り湯でも頂くから」
甲斐甲斐しいコト言うじゃまいか。
「気にすんな、男同士裸の付き合いと行こうや」
言いながらも俺は服をポイポイと脱ぎ捨てていく。
ワンペよ、なぜ視線を逸らす。まさかソッチの気でもあんのか?
「いや、でも……」
「やかましい、さっさと脱げ、行くぞ」
パンイチにになった俺はテーブルの上に座り込み渋っているワンペの首元を掴んで持ち上げ、衣服を一気に剥ぎ取る。
「うにぁぁぁぁぁ!」
それはもう芸術的な脱がせ方。
服を置き去りに体だけがすぽんと抜け出る様は美しさすら感じさせる。
なぜそんな脱がせ方が出来るかって?そりゃあ紳士たる者、服は一瞬で脱ぐモンだろ。
ほら、有名な大泥棒の三世とか新宿の種馬とかが出来るじゃん。
それを他人に強制出来る俺の紳士力の高さ!
使う相手居なかったけどな。
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