Enemy『はぐれ契約者』

16/27
前へ
/317ページ
次へ
こりゃ、戦うしかなさそうだ。 その前に――― 「あんた、マイスに属してんのか?」 これは確認しとかねば。身内で争うなんて無駄以外の何物でもないからな。 「マイス……?ああ、契約者の組織か。俺は一匹狼、群れるしか能のない連中と一緒にするな」 取り出した剣を右手にイヤらしい笑みを浮かべる黒スーツだが…… 笑ってもいい? 一匹狼って言ったぞコイツ! 本当に自分のコトを一匹狼とか言うヤツ初めて見たわ。 「何を笑っている」 むぅ、我慢してたんだが表情に出ていたようだ。 「いや何でもない。さて、一匹狼ってコトははぐれ契約者ってコトだな」 「組織に属している連中からすればそうなるな」 はぐれ契約者確定です。 コレ、捕獲したりしたら金になんのかな?倒したら三宅さんに電話して聞いてみよう。 「話はそれで終わりか?さっさとお前のアーティファクトを出せ。出さないなら……遠慮せず行かせてもらう」 やべ、さすがにアーティファクト出した相手に素手じゃ勝てんわ。 四谷さんレベルになると平気で素手で戦うんだろうけどな…… ま、俺はまだあのレベルに達してないから喚ばせて頂きますよレーヴァティン。 「分かったよ。そんじゃ俺も御披露目と行きますか」 右腕の肘を曲げて、手の平を顔の前に寄せる。 「偉大なる我が名 裕也の元に神々の能力(チカラ)を顕現せよ―――レーヴァティン!」 「厨二病乙」 ワンペ……やかましい。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11369人が本棚に入れています
本棚に追加