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途中から防護壁を張り耐えていた黒スーツだったが、限界を迎えたらしく大きく左斜め後ろに飛んで弾幕範囲から退避した。
むぅ、位置が悪いな。
俺と黒スーツの間に立ち塞がる一本の柱。直径二十センチ程の柱だが、結界内では堅固な壁と化す。
仕方無いので一旦衝撃波は中止、術の詠唱に入ると向こうでも詠唱が始まった。
次は術の威力比べってトコか。
甘いな。
砂糖に蜂蜜を掛けて粒餡を練り込んだチョコレートでフォンデュしたうまい棒を食べるくらい甘い。
あ、うまい棒は納豆味な。
こちとら結界を張る機能を失うくらい攻撃に特化したアーティファクトだ。
そんじゃそこらのアーティファクトの術じゃ、対等にすら持ち込めんぞ。
四谷さんは別だけどな……あの人、平気で俺の放つ術掻き消してたし。
さて、先に詠唱を終えたのは黒スーツ。俺は二節あるうちの一節ちょい。
俺…この戦闘が終わったら早口言葉の練習するんだ……
「無限の刃」
黒スーツの呟くような声が聞こえた次の瞬間、黒スーツが隠れた柱の全面に無数の小刀が現れた。
その数は数十、数百単位。もしかしたら数千とかかもしれんが、とりあえず向こう側は見えませんね。
「終わりだ。楽しかったぞ」
黒スーツの声が終わると同時に俺に向かって襲い来る小刀の嵐。
あ、詰んだかも。
って、こんなトコで終われるかよ!
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