11369人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はレーヴァティンを前に構え、柄を中心に両手で刃を回転させ防御を図るが、回転させている刃の隙間から小刀は容赦なく襲い掛かる。
何もしないより多少マシな程度だが、本当に何もしなければ全身が剣山のようになってしまう。
肩に、太ももに。脇腹に、小刀は突き刺さり激痛が走るが詠唱は止めない。
黒スーツが呟いた「無限の刃」が言葉の通り無限の刃を生む術ならば受け一辺倒では勝てないのは自明の理。
多少……いや、ものっそい痛いけど我慢して詠唱を終わらせ、こちらも術を発動させなければ。
しかし、身体に小刀が突き刺さってるのに頑張れるなんて―――そこだけは四谷さんに感謝だな。
あの修行と云う名の拷問の日々が無きゃ、これだけの痛みに耐えられなかっただろう。
襲い来る小刀を回転させたレーヴァティンで弾き、すり抜けてきた小刀は致命傷にならない部分で受け止める。
さすがに頭とか首とか心臓に刺さったら詰むからな。
そんな防御とも呼べない防御をすること数秒。俺の詠唱がついに完成した。
この術は前方に広範囲が対象範囲。
たとえ柱の陰に隠れていようと関係ない。周囲から侵食するように柱の陰も確実に影響下における。
詠唱が長いのが難点だがな。
さあ、俺のターンだ。
この痛みは倍返し。
深淵の歪みで象られし鎖でもがき苦しむがいい。
「ダークロード・ブラックチェイン!」
最初のコメントを投稿しよう!