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そんな俺の意思に反応して鎖は圧力を増し、黒スーツの左腕を圧迫。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
鈍い音が鳴り響き、右腕と同じように折れ曲がった。
「ワンペ!」
漆黒の鎖に包まれ呻き声を上げる黒スーツをそのままに俺はワンペを探す。
いい加減この剣山痕を何とかしないと失血死しそうだ。
小刀が刺さってる間はソレが栓になってて良かったんだが……小刀が消えた現在、剣山痕からは夥しい量の血が流れ出ている。
ぶっちゃけ、ちょっと足元が血の海だ。
「……きゅう」
壁際の床の上、目を回して延びているワンペを頭を持って摘み上げると、背中に軽くデコピンを一撃。
時代劇とかで気付けにやってるあの感じを真似てみたんだが上手くいったらしい。
「ぎゃひぃ!」
愉快な悲鳴を上げてワンペが目を覚ました。
「ワンペ仕事だ。この傷何とかしてくれ」
もう目眩がグルグルですよ。
でも、集中を切らすと黒スーツが自由になっちゃうし……頑張ってんだよ俺。
「うはっ!どうしたの?お兄さん血塗れじゃん!」
「後で説明すっからさっさと血止めしる」
ワンペを床に降ろせば、どこから取り出したのか草っ葉を出して摺り潰し始めた。
つーか、本当にどこから出したんだ?四次元ポケットでも持ってんのか?
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