Another『魔法遣い』

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携帯小説でも読んでればいい時間潰しになんだろ。 結構面白いんだぞ携帯小説。 『銃と魔法と異世界と』とか『異世界で頑張ろう』とか。 「宣伝乙」 心を読むなし。 さて、数十分も運転すれば目的の那覇港に着くのだが……どうも素直にフェリーには乗せて貰えないらしい。 雨がフロントガラスを叩き始め、視界が悪くなる県道。 停車したトランザムの前には半透明の雨合羽を羽織った人物が立ち塞がっていた。 目深に被ったフードで表情は窺えない。 少なくとも車道のド真ん中に立っているんだからマトモな人間ではないだろう。 「とりあえず隠れとけ」 「らじゃ!」 立ち塞がっている人物が一般人の可能性がある今、ワンペは見せられない。 一般人じゃない……契約者の場合は別だが、やはり一般人の可能性がある限りワンペは隠しとかねばならん。 見つかったらツチノコ並みに騒がれそうだしな。 「そこに居たら危ないですよ」 無難な台詞を投げかけて様子見。よっぽど頭が弱くない限り避けるだろう。 これで避けないのならば俺に用事があると言うコトだ。 喧嘩を売られる覚えは無いんだがな。 「イチノセ……ユウヤだな?」 「チガイマス」 ああ、ぱーぺきに俺の客だ。 とっさに嘘吐いたけど、狙い定めて俺の車を止めたんだから無駄だろう。 「……そうか、間違えた。すまない」 あれ?
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