Another『魔法遣い』

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そんなこんなで無事に那覇港に到着した俺は受付を済ませ、フェリーが出るまでの間は車内で過ごすことにした。 本当ワンペが居ると制約が増えて面倒だが、それを補うくらい楽しいのも事実。 差し引きゼロってコトでワンペに付き合って車内に待ち時間は居ることが多い。 「いつも済まないねえ」 「それは言わない約束だろ、お父っつぁん」 もう何度目になるか分からない何時ものやり取り。 「しかし、アレは何だったんだろうな?」 「アレって?」 助手席でPSPを両手で操作するワンペが俺の方を向く。 「ほら、道端で車を止めて俺を探してたアノ女だよ」 話す俺の手にもPSP。 当然ソフトはモンハンですよ。 「ああ、アレって女だったんだ。僕は見れなかったから」 そう言えば隠れてたからな。 「でも、どうしてお兄さんを探してたんだろうね?」 そう。問題はそこだ。 マイス関係ならば俺の携帯に三宅さん経由で連絡があるだろう。 それが無いというコトは、あの女はマイス関係者ではないと云うコトになる。 「はぐれ契約者?」 「何の為に?」 俺が漏らした言葉に間髪置かず更に疑問を投げ返すワンペ。 考えてみても、はぐれ契約者が俺を探す理由が見当たらない。 ……ならば、あの女は何だったんだ? 思考が堂々巡り。答えを導き出すにはピースが足りなさ過ぎる。
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