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「お兄さん!弾幕薄いよ!」
「……おおぅ、すまん」
思考に耽っていたせいで手が止まっていたらしく、ワンペの声で現実に引き戻される。
まあ、もう会うこともないだろうし考えるのは止めよう。
下手な考え休むに似たりってな。
◇◇◇◇◇
「うへ……いたよ」
フェリー船内、椅子の並ぶ広間の外にあの女の姿があった。
窓際の席に座る俺、窓を隔てて辺りを見渡す雨合羽の女。
先程までの雨がやみ、晴れ間が見え始めた空の下、女は雨合羽のフードを外す。
どうしよう……
めっさ美人さんなんだが。
年は二十代中盤くらいだろうか?弥栄さんが癒し系の美人さんだとすれば、窓の外でウロウロしている女はクール系の美人さん。
長いストレートの腰まである黒髪、少し顔の彫りが深いがそれがまたいい。
是非ともお近付きになりたいんだが、展開的に良い方向に転がるとも思えない。
あ、雨合羽を完全に脱いだ。
服装は上がベージュのキャミソール、下のブルーのスリムジーンズは股下の長さがハッキリと分かる。
足元はミュールと戦いには向かないだろう靴。
そして―――
雨合羽を脱いだ瞬間に弾けた乳!E以上は確実です!!重力を無視したように下がることなく、その圧倒的な存在を醸し出す!!!
イヤァァァッハァァァァァ!!
おおっと、いけない。紳士が取り乱すなんて―――
あ、目が合った。
そして俺は気付いた。
椅子から立ち上がり中腰のまま、窓に貼り付くように乳を凝視していた自分の体勢に……
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