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コレは……
咳払いを一つ、俺は席に座り直す。
ワンペを置いてきたのは失敗だったな。
さすがに広くない船内でワンペを隠し通すのも面倒なので車内で待たせているのだが、もしバレて戦闘になった場合、俺一人じゃ結界が張れん。
何より、俺の暴走を止めるヤツがいねえ。
ここは一つ知らぬ存ぜぬで通すか。
再び女に目をやれば、キツい目つきで胸元を隠すように両腕を前で組んで俺を見ていた。
えっと……その方がボリューム感が増して破壊力あるんですが。
俺は無言で視線を外し上体を前に倒した体勢を取る。
いや、破壊力に負けてちょっと一部分がボリュームアップしちゃっただけですよ。生理現象なんだから怒らないでよね。
数秒待ってから再び窓の外に視線を向ければ、そこに居たのは小さな子供を連れた家族が三人。美人さんはどこかへ行ってしまったようだ。
ああ……俺のおぱーいが……
まあ仕方無いさ。無駄な戦闘になるくらいなら、おぱーいの一つや二つ諦められ………………ない。
俺は首を回し美人さんの姿を探す。
雲の隙間から日差しが差し込む窓の外には、先程まで広間にいた数人の家族連れやサラリーマンの姿が見て取れる。
しかし、そこに美人さんの姿はない。
ならば反対側か。
同じように窓の外に目をやれば、やはり家族連れやサラリーマン、旅行者らしきリュックを背負った人々の姿。
あんれー?美人さんはドコ行った?俺のおぱーいはドコ行った?
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