Another『魔法遣い』

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むぅ、居ない。 貴重な俺のおぱーい成分が…… 諦めて席に腰を下ろし携帯を開くと携帯小説を読み始める。 居ない者を何時までも引き摺ってても時間の無駄だからな。切り替えは大事ですよ。 いつの間にか携帯の画面が小説からエロサイトに変わってるのは仕様です。 ああ…揉ませてくれる彼女とか欲しいな…… 彼女いない歴イコール人生な俺の切実な願いだ。 このまま三十路になって魔法遣いになるのも悪くないと思っていたが、レーヴァティンで術が使える現在、俺を縛るものは何もない。 なので彼女が欲しい訳ですよ。 フィアもアレで乳がでかければ文句無しだったんだが、弥栄さんを見た後じゃ食指にも掛からん。 やっぱ本命は弥栄さんだな。 だけど、口説く時間もありゃしない。 自分のマイナス面は分かってるから、そこをカバーする作戦もあるんだが、ソレも一緒の時間がある程度ないと使えない。 第一印象が悪いらしくてな俺。 接客業のバイトの面接に行ったら、面接無しのその場で不採用貰うくらいの印象の悪さだ。 容姿自体は悪くないと思うんだがな。性格が悪いのは自負してるが。 まあ、暫くは右手が恋人で我慢するか。 このワールドツアーが終われば弥栄さんと一緒に居られる時間も増えるだろ。 携帯の画面を見つめながら呆けていた俺だったが、視線を上げて驚愕するハメになった。 誰も居ないセピア色の空間。 結界だ。
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