Another『魔法遣い』

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「……えっと、俺に何の用だ?」 無言の……それこそエターナルフォースブリザードが吹き荒れてるんじゃないかってくらい冷え切った空気に耐えきれず、俺は立ち上がって服に付いた汚れを払う仕草で誤魔化してみる。 「仮面ライダーって何よ?」 そこはスルーして下さい。お願いします、心が折れそうです。 「俺が一ノ瀬裕也だ」 「仮面ライダーって何よ?」 俺は膝から崩れ落ちた。 美人さんよ、アンタ俺を探してたんじゃないのか? で、俺は名乗ったよな? なのに何故に仮面ライダーに食いつくんだ?俺の優先順位は仮面ライダーの下か? 「ゴメンナサイ。言ってみたかっただけなんです。許して下さい、話を進めて下さい」 深々と頭を下げた土下座の体勢で美人さんに話題の転換を願い出る。 これ以上引っ張られたらホントに心が折れるわ。 「ふーん、何だツマンない」 土下座から見上げれば、豊満な乳が邪魔して表情こそ窺えないが、その声は本当に興味を失ったかのような感じに聞き取れた。 いや、コイツ何しに来たんだ? 「まあいいや。今日来たのはアナタを勧誘するためよ」 勧誘? 「いや、マイスには入ってるが?」 「そんな自称正義の味方組織じゃないわよ」 む?この言い方だと、他にも組織が在るような言い方だな。他にもアーティファクトなんて危険物を扱う組織があるってか。
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