Another『魔法遣い』

11/17

11369人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
この展開はあれだ。マイスの敵対組織で、首領以下四天王がいたりする悪の組織と見た。 「私達の組織はAnother (アナザー)。アーティファクトを使って世界に真の平和を齎(もたら)す為の集団よ。マイスみたいに現状維持しか考えない連中と一緒にしないで」 立ち上がった俺の目を真っ直ぐ見つめる美人さん―――照れるぜ。 「そんな高尚な目的を持った組織が何で俺なんかを?」 ツッコミ所はたくさんあるが、答えてくれるなら聞くのが早い。 当然、嘘や誤魔化し等も入るだろうから、ソコを見極めるのも大切だ。 「有名だからね」 「有名?」 いつの間に有名人になったんだ俺?まだテレビどころか雑誌にも出てないぞ。 いつかは新聞の片隅に載るかもしれんが…… 「上位アーティファクト、レーヴァティンの契約者ですもの。この業界、狭いから知らないヤツは少ないわよ」 業界って…… 「で、その有名なレーヴァティンの契約者を何で引き抜こうと?」 「もちろん戦力としてよ。マイスにはエクスカリバーの契約者がいるわ。そこにレーヴァティンの契約者まで揃ったらパワーバランスが崩れすぎるのよ」 そんなん知らんがな。俺が加わった程度で傾く組織なんてさっさと潰れちまえ。 「その口振りだとマイスとアナザーは敵対関係ってコトでいいのか?」 三宅さんからアナザーなんて組織の話は聞いてない。敵対組織があるのならば俺の耳にも入ってるはずだ。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11369人が本棚に入れています
本棚に追加