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「……ちょっと違うかな」
おや?鉄板と思われた敵対組織ではないと?
「私達アナザーもマイスも魔物の居ない世界を目指してるのは一緒よ。ただやり方が違うだけ」
ほむ、競合組織ってトコか?
「マイスは魔物が現れるのを待って、それに対処する道を選んだ」
そうだな。まだ一回しか魔物とは戦ってないが、あの時は局所結界で閉じ込めて現地に駆けつけた。
「でも私達は魔物の大元を叩く道を取った」
あれ?そっちのが良くね?対処療法より根治療法のが良いよな?
「大元叩いた方が良いよな?何でマイスはソレやらないんだ?」
そこで美人さんは椅子に腰を下ろし、俺にも座るように促す。
椅子一つ隙間を空けて座った俺と美人さん。ちょっと甘い香りがするのは香水だろうか。
「アナタ……アーティファクトについて、どの程度知ってる?」
どの程度ってもな……
「契約者の身体能力を大幅に引き上げて、固有の術を使えるとかか?」
うん。それくらいしか知らんな。
「アーティファクトは誰が創って何故存在してる?」
……分からん。
確かにアーティファクトを直訳すれば“人工物”だ。
レーヴァティンを手にしてから忙しくて気にもしなかったが、言われてみれば人工物と言うからには誰かが造った物なのだろう。
誰が創った?
少なくとも百年以上前から存在するアーティファクト。神話の時代からと言うならば数千年以上前から存在していると云うことになる。
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