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「あれがティトゥスの凱旋門だ。ローマで最も古い由緒ある凱旋門だぞ」
「あっちに見えるのがコロッセオだね!あそこで聖闘士達が闘ったのかー!」
「いや、闘ってないから」
初のローマに興奮気味なワンペだが、俺は至って冷静。
あれはギリシャの話だろ。
だいいち普通の人間に小宇宙は燃やせないから。
ま、俺はセブンセンシズまで目覚めてるけどね。
あれから何事もなく数カ国を回り、今はマイスの本部があるイタリアはローマにやってきている。
驚いたことだが、ワンペは英語が話せた。曰わく「駅前留学してた僕に話せない言語はないよ!」らしいのだが、めんどくさかったので突っ込むのは止めた。
しかし―――初めて来たけど凄いね。
建築物が歴史溢れる感じで歴史の重みに押し潰されそうだ。
お、カッコいいこと感じちゃったな俺。
そう言えば、次はローマだって三宅さんに連絡したときに「お気を付けて」とか言ってたけど、どういう意味だろう。
あ、ちなみに数カ国回った海外支部でもレーヴァティン契約者ということで愉快なおもてなしされたのでキッチリ叫んでおきました。
つーか、ここで待ち合わせのハズなんだが……誰も来ねえ。
海外での移動は基本的に飛行機なので、国内でお世話になったトランザムは成田空港で千葉の浦安支部の人に回収された。
日本に帰ったら、あの車を愛車にするんだ……
しっかし遅いな。待ち合わせは二時、現時刻は二時半。
マイスは時間も守れないようなルーズな組織じゃなかったはずだ。もしや不測の事態とか起こってんのか?魔物が現れたとか。
「待たせたな」
そんなコトを考えてたら突然後ろから声を掛けられ、振り向けばそこに立っていたのは金髪碧眼のテライケメン。
青のジーンズに白のシャツ、胸元に覗く引き締まった筋肉は細マッチョ。
「お前は……あ、アイーン?」
「アインスだ!」
レーヴァティンを手に入れた森で出逢ったフィアの相方でエッケザッハの契約者だった。
どうでもいいよ、イケメンは氏ね。
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