outside『進化』

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「お兄さん、まさか……」 俺は単節の短い詠唱を終え、レーヴァティンを上に翳すように持ち上げる。 「業火紅蓮剣!」 キーとなる言葉に反応してレーヴァティンの刀身が真紅の炎に包まれた。 「やっぱり……アーティファクトを松明みたいに使うとか、力の無駄遣いすぐる」 別に便利なら使えば良いではないか。ワンペのくせに頭が固いぞ。 それはそうとして、キレイなお姉さんを見なければ。 レーヴァティンを格子戸のそばに近付けてみれば、狭い部屋の奥にある小さなベッドの上に人が此方に背を向けて寝ているのが分かった。 後ろ手に縛られ、目隠しがされ、耳栓なのか耳元には何かが着けられている。 「コレは本格的なプレイだな」 「いや、明らかにプレイじゃないから。どう見ても本気で拘束されてるから」 むう、プレイじゃないのか。 さすが外国!プレイが徹底的だぜ!そこに痺れる憧れるぅぅぅ!とか思ってたのに。 「つか、顔が見れんじゃまいか。コレじゃ美人さんかどうか判別できん」 ベッドで此方に背を向けて横になっているので肝心の顔が見えない。 後ろ姿から分かるのは、細身で手足がスラッと長く、髪質はサラサラストレート。 そんなトコだ。 レーヴァティンに灯した紅蓮剣の炎で映し出されているので、白人かアジア系かも分からん。 「さっきまでコッチ向いてたのになー」 タイミングが悪かったか。
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